ホテルアンケートの質問例|小規模宿でも使える宿泊者の声の集め方
ホテルや旅館で宿泊者アンケートを取る目的は、満足度を確認することだけではありません。
宿泊者がどこに満足したのか。
どこで迷ったのか。
何が印象に残ったのか。
次に泊まる人へ何を伝えたいと思ったのか。
こうした声を集めることで、宿の改善や案内の見直し、口コミにつながる体験の整理にも役立ちます。
特に、小規模ホテル・ゲストハウス・一棟貸しのように、スタッフの数が限られている宿では、チェックアウト時に毎回ゆっくり感想を聞くのは簡単ではありません。
だからこそ、宿泊者が自分のタイミングで答えられるアンケートを用意しておくことには意味があります。
ただし、アンケートは質問の作り方によって、集まる声の質が大きく変わります。
「満足しましたか?」だけでは、宿泊者の本音や具体的な体験はなかなか見えてきません。
この記事では、ホテル・旅館・ゲストハウス・一棟貸しなどの宿泊施設で使いやすいアンケート質問例と、小規模な宿でも運用しやすい作り方を紹介します。
ホテルアンケートで聞くべきこと
ホテルアンケートでは、単に点数を集めるだけでなく、宿泊者の体験を具体的に聞くことが大切です。
たとえば、同じ「満足」でも、理由は人によって違います。
部屋が清潔だったから満足した人。
静かに眠れたから満足した人。
スタッフの案内が分かりやすかったから満足した人。
周辺を散歩できたことが印象に残った人。
点数だけでは、この違いは分かりません。
宿泊者アンケートでは、次のような項目を分けて聞くと、宿の改善にも口コミ対策にも使いやすい声が集まりやすくなります。
- 滞在全体の印象
- 部屋・寝具
- 清潔感
- 設備・備品
- スタッフ対応
- 共有スペース
- 食事・カフェ
- 周辺環境
- アクセス・駐車場
- 気になった点・改善点
- 次に泊まる人へのひとこと
すべてを毎回聞く必要はありません。
宿の特徴や規模に合わせて、必要な項目を選ぶことが大切です。
満足度だけのアンケートでは足りない理由
宿泊者アンケートでよくあるのが、5段階評価だけの形式です。
「部屋の満足度を教えてください」
「スタッフ対応の満足度を教えてください」
「総合評価を教えてください」
このような質問は、集計しやすいというメリットがあります。
一方で、宿泊者がなぜその評価をしたのかまでは分かりにくいです。
たとえば、部屋の満足度が「4」だったとしても、その理由はさまざまです。
- 清潔だったが、少し音が気になった
- 広さは十分だったが、照明が暗かった
- 寝具はよかったが、コンセントの場所が使いにくかった
- 全体的にはよかったが、案内が少し分かりにくかった
こうした具体的な声は、自由記述や追加質問がないと集まりません。
点数は全体の傾向を見るために使い、具体的な改善や口コミにつながる声は、文章で聞く。
この組み合わせが重要です。
回答しやすいアンケートの作り方
宿泊者アンケートは、詳しく聞こうとしすぎると回答率が下がります。
特にチェックアウト前後は、宿泊者も移動や予定で忙しい時間帯です。
そのため、最初から長いアンケートにするより、短く答えやすい構成にする方が現実的です。
基本の構成は、次のようにすると使いやすくなります。
- 滞在全体の印象を聞く
- 印象に残った項目を選んでもらう
- 選んだ項目について具体的に聞く
- 気になった点や改善点を聞く
- 次に泊まる人へのひとことを聞く
最初からすべてを自由記述にすると、宿泊者は少し構えてしまいます。
選択式で答えやすくしてから、必要なところだけ自由記述で聞くと、回答の負担を減らせます。
滞在全体についての質問例
まずは、宿泊全体の印象を聞きます。
ここでは、評価を急がせるより、宿泊者が体験を思い出しやすい聞き方にするのがおすすめです。
質問例
- 今回の滞在で印象に残ったことはありますか?
- 宿で過ごした時間の中で、よかった場面があれば教えてください。
- 今回の滞在を一言で表すと、どんな時間でしたか?
- 到着前に期待していたことと、実際に泊まって印象に残ったことはありますか?
- また泊まりたいと思う点があれば教えてください。
選択肢例
- ゆっくり休めた
- 静かに過ごせた
- 観光しやすかった
- 仕事や作業がしやすかった
- スタッフの案内がよかった
- 部屋が使いやすかった
- 周辺の雰囲気がよかった
- 食事やカフェがよかった
- 特にない
- その他
「良かったことを教えてください」だけでも悪くはありません。
ただ、「印象に残ったこと」と聞く方が、ポジティブな感想だけでなく、実際の体験に近い声が集まりやすくなります。
部屋・寝具についての質問例
部屋や寝具は、宿泊施設の満足度に直結しやすい項目です。
ただし、「部屋は満足でしたか?」だけでは、具体的な改善点が見えにくくなります。
質問例
- 部屋ではどのように過ごしましたか?
- 部屋の広さや使いやすさで印象に残った点はありますか?
- 寝具や枕の使い心地はいかがでしたか?
- 照明、コンセント、机、収納などで使いやすかった点はありますか?
- 部屋で過ごしていて、気になった点はありますか?
選択肢例
- ゆっくり眠れた
- 仕事や作業がしやすかった
- 荷物を広げやすかった
- 照明が使いやすかった
- コンセントの位置が便利だった
- 寝具が合っていた
- 音が気になった
- においが気になった
- 温度調整が難しかった
- 特にない
部屋の質問では、良かった点と気になった点の両方を聞くのが大切です。
宿側では気づきにくい小さな不便が、宿泊者の声から見つかることがあります。
清潔感についての質問例
清潔感は、口コミでもよく見られる重要な項目です。
特にホテルや旅館では、清潔感に関する印象が予約前の安心感につながります。
質問例
- 館内や部屋の清潔感について、印象に残った点はありますか?
- 水回りの使いやすさや清潔感はいかがでしたか?
- 寝具やタオルなどで気になった点はありますか?
- 清掃や整理整頓について、よかった点があれば教えてください。
- 清潔感について、改善されるとよい点はありますか?
選択肢例
- 部屋が清潔だった
- 水回りが清潔だった
- 寝具が清潔だった
- 共用部分が整っていた
- タオルやアメニティが使いやすかった
- においが気になった
- ほこりが気になった
- 水回りで気になる点があった
- 特にない
清潔感については、良い声も改善点も具体的に集める価値があります。
「清潔でした」という声は口コミにも使いやすく、気になる点はすぐに改善につなげやすいからです。
スタッフ対応・案内についての質問例
スタッフ対応は、宿泊体験の印象に大きく影響します。
ただし、小規模宿や無人チェックインの宿では、「スタッフ対応」よりも「案内の分かりやすさ」を聞いた方が合う場合もあります。
質問例
- チェックイン時の案内は分かりやすかったですか?
- スタッフの対応で印象に残ったことはありますか?
- 事前案内やメッセージで助かったことはありますか?
- 館内の使い方で分かりにくい点はありましたか?
- もっと説明があるとよかったことはありますか?
選択肢例
- チェックインが分かりやすかった
- 事前案内が分かりやすかった
- 周辺情報が役に立った
- スタッフに相談しやすかった
- 無人でも迷わなかった
- 館内案内が分かりにくかった
- 連絡方法が分かりにくかった
- 設備の使い方で迷った
- 特にない
この項目は、宿の運営改善にかなり役立ちます。
同じ質問が何度も出る場合は、案内文や館内掲示を見直すサインです。
共有スペースについての質問例
ゲストハウス、小規模ホテル、一棟貸しなどでは、共有スペースが宿の魅力になることがあります。
一方で、共有スペースは宿泊者によって使い方が違うため、具体的な過ごし方を聞くのが大切です。
質問例
- 共有スペースでは、どんなふうに過ごしましたか?
- 作業、読書、食事、休憩などで使いやすかった場面はありますか?
- 他の宿泊者と話す機会はありましたか?
- 共有スペースの雰囲気で印象に残った点はありますか?
- 共有スペースで使いにくかった点はありますか?
選択肢例
- 作業がしやすかった
- 読書や休憩がしやすかった
- 食事をとりやすかった
- 他の宿泊者と話せた
- ひとりでも過ごしやすかった
- 雰囲気が落ち着いていた
- 席が足りなかった
- 音が気になった
- 使い方が分かりにくかった
- 利用していない
「共有スペースが使いやすかった」という短い声も、使い方まで聞くと口コミとして伝わりやすくなります。
たとえば、「作業できた」「他の宿泊者と話せた」「ひとりでも過ごしやすかった」といった情報は、次に泊まる人にとって参考になります。
食事・カフェについての質問例
朝食、夕食、カフェ、ドリンクサービスなどがある宿では、食事に関する声も重要です。
ただし、食事がない宿で無理に聞く必要はありません。
質問例
- 食事やカフェを利用して、印象に残ったことはありますか?
- 味、量、提供時間、雰囲気などでよかった点はありますか?
- 地元らしさを感じたメニューはありましたか?
- もっとこうなるとよいと思った点はありますか?
- 食事やカフェについて、次の人に伝えたいことはありますか?
選択肢例
- 味がよかった
- 量がちょうどよかった
- 地元らしさがあった
- 雰囲気がよかった
- 提供時間が使いやすかった
- 価格が分かりやすかった
- メニューが分かりにくかった
- 量が合わなかった
- 利用していない
食事の声は、口コミに出やすい項目です。
ただし、好みも分かれやすいため、「良かったですか?」だけでなく、どこが印象に残ったのかを聞くと使いやすくなります。
周辺環境についての質問例
宿泊施設の魅力は、館内だけではありません。
周辺の景色、散歩道、飲食店、観光地、駅や駐車場からの分かりやすさなども、宿泊体験の一部です。
質問例
- 宿の周辺で印象に残った場所はありますか?
- 散歩、買い物、食事などで便利だったことはありますか?
- 朝や夜など、印象に残った時間帯はありますか?
- アクセスや駐車場で分かりにくい点はありましたか?
- 次に泊まる人におすすめしたい周辺情報はありますか?
選択肢例
- 散歩が気持ちよかった
- 景色がよかった
- 静かに過ごせた
- 飲食店に行きやすかった
- 観光地へ行きやすかった
- 駐車場が使いやすかった
- 駅やバス停から分かりやすかった
- 場所が分かりにくかった
- 夜道が不安だった
- 周辺情報がもっと欲しかった
周辺環境の声は、公式サイトや案内文の改善にも使えます。
宿側が当たり前だと思っている景色や散歩道が、宿泊者にとっては印象的な体験になっていることもあります。
改善点・気になった点の質問例
アンケートでは、良かった点だけでなく、気になった点も必ず聞くべきです。
改善点は、宿にとって耳が痛いこともあります。
それでも、宿泊者が何に困ったのかを知ることは、運営改善に欠かせません。
質問例
- 気になった点や、もっと良くなると思った点はありますか?
- 滞在中に分かりにくかったことはありますか?
- 使いにくかった設備や案内はありますか?
- 事前に知っておきたかったことはありますか?
- 次に泊まる人のために改善されるとよいと思うことはありますか?
選択肢例
- 案内が分かりにくかった
- 音が気になった
- においが気になった
- 設備の使い方が分かりにくかった
- 駐車場やアクセスで迷った
- 周辺情報が足りなかった
- チェックイン方法が分かりにくかった
- 部屋の設備で困った
- 特にない
改善点を聞くときは、責められているように感じさせない聞き方が大切です。
「不満はありましたか?」よりも、「もっと良くなると思った点はありますか?」の方が答えやすくなります。
次に泊まる人へのひとこと
宿泊者アンケートでは、「次に泊まる人へのひとこと」を聞くのもおすすめです。
これは、口コミに近い自然な言葉が集まりやすい質問です。
質問例
- 次に泊まる人に伝えたいことはありますか?
- この宿は、どんな人に向いていると思いますか?
- これから泊まる人におすすめしたい過ごし方はありますか?
- 事前に知っておくとよいことはありますか?
- この宿で印象に残った過ごし方を教えてください。
この質問は、宿泊者が「評価する人」ではなく、「次の人に伝える人」として答えられるのが良いところです。
「口コミを書いてください」と言われるより、少し答えやすくなります。
避けた方がよい質問
ホテルアンケートでは、聞き方によって回答が偏ることがあります。
特に、口コミにつなげたい場合は、次のような質問は避けた方がよいでしょう。
良い評価だけを前提にした質問
- よかった点を教えてください
- 最高だったところを教えてください
- Google口コミに書きたい良い点を教えてください
良かった点を聞くこと自体は悪くありません。
ただし、それだけだと改善点が集まりにくくなります。
高評価者だけを口コミに誘導する質問
- 星5をつけた方は口コミ投稿へ進んでください
- 満足した方だけ口コミをお願いします
- 不満がある方はこちらのフォームへ
このような導線は、公平な口コミ収集とは言いにくくなります。
アンケートから口コミにつなげる場合でも、回答内容によって導線を出し分けない方が安全です。
宿泊者が体験していないことを聞く質問
- スタッフの対応は親切でしたか?
- 朝食はおいしかったですか?
- 共有スペースは快適でしたか?
これらは、該当する体験があれば問題ありません。
ただし、無人運営の宿や朝食のない宿、共有スペースを使っていない宿泊者に聞くと、回答しにくくなります。
宿の特徴や宿泊者の利用状況に合わせて、質問を出し分けることが大切です。
アンケート項目は宿の特徴に合わせる
宿泊者アンケートは、どの宿でも同じ項目にすればよいわけではありません。
ビジネスホテル、旅館、ゲストハウス、一棟貸しでは、聞くべき内容が少しずつ違います。
ビジネスホテルの場合
- 部屋の使いやすさ
- デスクやWi-Fi
- チェックインのスムーズさ
- 駅からのアクセス
- 周辺の飲食店
- 静かに眠れたか
旅館の場合
- 食事
- 温泉や浴場
- 接客
- 館内の雰囲気
- 地域らしさ
- 滞在中の過ごし方
ゲストハウスの場合
- 共有スペース
- 他の宿泊者との距離感
- スタッフや地域の案内
- ひとりでも過ごしやすいか
- 清潔感
- 音や共用設備の使いやすさ
一棟貸しの場合
- キッチンや調理器具
- 家族やグループでの過ごしやすさ
- 洗濯機や長期滞在設備
- 駐車場
- チェックイン方法
- 周辺環境
すべての宿に同じアンケートを置くより、その宿の使われ方に合わせて質問を調整した方が、具体的な声が集まりやすくなります。
アンケートの回答率を上げる工夫
良い質問を作っても、答えてもらえなければ意味がありません。
回答率を上げるには、宿泊者が自然に答えられる導線を作ることが大切です。
QRコードを分かりやすい場所に置く
客室、フロント、共有スペース、チェックアウト案内など、宿泊者が目にしやすい場所にQRコードを置きます。
特に客室内は、宿泊者が落ち着いてスマホを見られる場所なので、アンケートの導線として使いやすいです。
質問数を増やしすぎない
質問が多すぎると、回答する前に離脱されます。
最初は3〜5問程度に絞るのがおすすめです。
詳しく聞きたい場合は、最初の回答内容に応じて追加質問を出す形にすると、負担を減らせます。
回答する意味を伝える
ただ「アンケートにご協力ください」と書くだけでは、宿泊者にとって答える理由が弱くなります。
たとえば、
「いただいた声は、宿の改善や次に泊まる方への案内に活用します」
のように、回答が何に使われるのかを伝えると、協力してもらいやすくなります。
チェックアウト直後だけに頼らない
チェックアウト時は、宿泊者も急いでいることが多いです。
客室内や滞在中に見てもらえる場所にもQRコードを置いておくと、余裕のあるタイミングで答えてもらいやすくなります。
まとめ
ホテルアンケートは、満足度を確認するだけでなく、宿泊者の本音や具体的な体験を集めるための大切な仕組みです。
質問を作るときのポイントは、次の通りです。
- 点数だけでなく、具体的な体験を聞く
- 良かった点だけでなく、気になった点も聞く
- 選択式と自由記述を組み合わせる
- 宿の特徴に合わせて項目を選ぶ
- 質問数を増やしすぎない
- 回答が何に使われるのかを伝える
- 次に泊まる人へのひとことを聞く
宿泊者の声は、宿の改善だけでなく、口コミや公式サイトの案内にも活かせます。
大切なのは、宿泊者が答えやすい形で、実際の体験に近い声を集めることです。
アンケートを単なる満足度調査で終わらせず、宿泊者の声が宿に残る仕組みとして設計していきましょう。
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