はじめに
宿泊施設の口コミ評価を上げる方法を調べると、接客の改善、清掃の徹底、口コミへの返信、MEOツールの導入などが紹介されています。
どれも間違いではありません。ただ、「サービスを向上させましょう」という結論で終わっている記事がほとんどで、具体的に何を直せば評価が上がるのかは書かれていません。
この記事では、評価を下げているボトルネックの見つけ方と、優先順位のつけ方を具体的に解説します。公開口コミだけを待たず、滞在中の小さな不満を先に見つけるための方法です。
「サービスを向上させましょう」で終わる記事の限界
宿泊施設のDXやCX改善を扱う記事の多くは、同じような結論で締めくくられます。
「顧客体験を高めましょう」「満足度向上に努めましょう」という一文です。
読んでいるオーナーからすると、そこが一番知りたいところです。何を、どの順番で直せばいいのか。それが書かれないまま記事が終わり、結局何も変えられないまま検索を続けることになります。
評価を上げるには、宿泊者が実際にどこでつまずいているかを特定し、影響の大きい場所から順に直すという、具体的な進め方が必要です。
口コミを増やすことと、評価を上げることは別
宿泊施設の口コミ対策は、大きく2つに分けて考える必要があります。
ひとつは、口コミの件数を増やす取り組みです。
- QRコードから口コミページへ案内する
- チェックアウト時に投稿をお願いする
- 口コミへ丁寧に返信する
- MEOツールで投稿や返信を管理する
もうひとつは、口コミの評価点を上げる取り組みです。
評価点を上げるには、宿泊者が実際に感じている不満を減らし、宿泊体験そのものを改善しなければなりません。
チェックイン方法が分かりにくいまま口コミ投稿だけを案内しても、評価は上がりません。むしろ、不満を持った宿泊者の口コミも増える可能性があります。
口コミを集める導線と、宿泊体験を改善する仕組みは、分けて考える必要があります。
MEOツールでは宿泊体験そのものは変わらない
MEO(地図上での検索対策)ツールは、口コミの確認や返信を効率化できます。
ただし、駐車場が分かりにくい、Wi-Fiの案内が見つからないといった、体験そのものの問題までは解決しません。
評価点を上げるには、口コミ管理を効率化することとは別に、宿泊者がつまずいている場所を直す必要があります。
低評価がついてから返信で挽回するより、そもそもの原因を先に見つけて潰すほうが効果的です。返信の書き方はこちらで詳しく解説しているので、ここでは原因の見つけ方に絞って解説します。
星3・星4の口コミへの返信例文|宿泊施設の惜しい評価への書き方評価を下げているボトルネックの見つけ方
宿泊者がどこでつまずいているかは、次の3つの手順で見つけられます。
1. 声を集める
まず、宿泊者の声を集めます。すでに投稿されている口コミも参考になりますが、それだけでは十分ではありません。
「部屋はきれいで、スタッフの対応も親切でした」という文章だけを見ると高評価に見えます。それでも星3になるのは、駐車場に少し迷った、部屋が思ったより暗かった、といった小さな違和感が、わざわざ文章には書かれないからです。
書かれなかった不満まで拾うには、アンケートやゲストノートのように、宿泊者が気軽に答えられる手段で、滞在中の感想を直接集める必要があります。
2. 場面ごとに分ける
集めた声を、宿泊体験の場面ごとに分類します。予約後の案内、到着・駐車、チェックイン、客室・館内設備、スタッフ対応、夜間の過ごしやすさ、チェックアウトです。
「暗証番号の入力方法が分からなかった」はチェックインの問題です。「Wi-Fiのパスワードが見つからなかった」は客室案内の問題です。場面ごとに分けることで、不満がどこに集中しているかが見えてきます。
このとき、表現は違っても同じ問題を指している声もあります。「暗証番号がメールのどこにあるか分からなかった」「入室方法を探すのに時間がかかった」は、どちらもチェックインの問題です。件数が少ないうちは、読み比べながら手作業でも拾えます。
3. 優先順位をつけて改善する
分類できたら、すべてを同時に直すのではなく、優先順位をつけます。
- 繰り返し出ているか:複数の宿泊者から同じ内容が出ているなら、個人の好みではなく仕組みの問題です
- 評価への影響が大きいか:入室できない、眠れない、清掃が不十分といった問題は、件数が少なくても優先します
- 改善できる問題か:立地はすぐに変えられませんが、案内文や備品の配置は変えられます
発生頻度が高く、影響も大きく、改善しやすいものから直すのが、最初のボトルネックです。
あしあとブックで、この3つの手順を仕組みにする
ここまでの3つの手順は、アンケート用紙とスプレッドシートがあれば、手作業でも進められます。
ただし、件数が増えるほど、表現の違う声が同じ問題を指していることに気づきにくくなります。あしあとブックは、特にこの部分を助けるツールです。
QRコードで声を集める
チェックイン・チェックアウト時に案内するQRコードから、アンケートや「ひとことノート」に回答してもらいます。スタッフが個別に聞かなくても、良かった点・分かりにくかったこと・改善してほしいことを集められます。
AIで分析し、場面ごとに整理する
集まった回答をAIが分析し、表現が違っても同じ内容を指している声をまとめます。「暗証番号が分からなかった」「入室方法に時間がかかった」といった声は、チェックイン案内の共通問題として把握しやすくなります。
質問カバレッジ分析で聞けていない話題を見つける
アンケートは、用意した質問に対する回答しか集まりません。Wi-Fiや駐車場について質問していなければ、その問題は自由記述に偶然書かれない限り見落とされます。
あしあとブックの質問カバレッジ分析は、集まった回答と現在の質問内容を照らし合わせます。十分に聞けていない話題を見つけ、アンケートを実際の回答に合わせて改善し続けられます。
例えば、自由記述ではWi-Fiへの不満が繰り返し出ているのに、アンケートにはWi-Fiについて尋ねる質問がない場合、「重要な話題を十分に聞けていない」と判断できます。
それを踏まえ、次回から「Wi-Fiの接続方法は分かりやすかったですか」という質問を追加する提案をします。
集めた声を口コミにもつなげる
宿泊者が希望した場合は、書いた内容をもとに、Google口コミへ進みやすい導線も用意しています。高評価の宿泊者だけを選ぶのではなく、すべての宿泊者に同じ選択肢を提示する仕組みです。
QRコードとアンケートで口コミにつなげる具体的な流れは、こちらにまとめています。
ゲストハウスの口コミを増やす方法|気まずさをなくす依頼の仕組みボトルネックを直した後は強みを伸ばす
不満を減らすだけでは、「問題の少ない宿」にはなっても、「選ばれる宿」にはなりません。
評価を下げている問題を直した後は、宿泊者から繰り返し評価されている強みを伸ばします。
- 静かに過ごせる
- 一人でも利用しやすい
- 清掃が丁寧
- スタッフとの距離感が良い
- 周辺案内が役に立つ
- 自由に滞在できる
運営者が強みだと思っている点と、宿泊者が実際に評価している点は、必ずしも同じではありません。
宿泊者の言葉から強みを見つけることで、WebサイトやSNS、予約ページで伝える内容も具体的になります。
評価を下げるボトルネックを直して、満足度の下限を上げる。
その後、評価されている強みを伸ばして、選ばれる理由を作る。
この順番で改善を進めます。
まとめ
宿泊施設の口コミ評価を上げるには、口コミを増やす施策だけでは不十分です。
- 口コミ件数を増やすことと、評価点を上げることは別
- 評価を上げるには、声を集める→場面ごとに分ける→改善する、という手順が必要
- コメントが良くても、書かれなかった不満で星3になることがあります
- 発生頻度・影響度・改善しやすさの3基準で、直すべきボトルネックの優先順位が決まる
- この3つの手順は手作業でも進められますが、件数が増えるほど表現違いの見落としが増えます
- あしあとブックは、声の収集からAI分析、質問カバレッジ分析、口コミへの導線までを仕組みにします
あしあとブックでは、宿泊者アンケートやひとことから声を集め、AI分析と質問カバレッジ分析によって、改善点や宿の強みを見つけられます。
口コミ投稿を増やす前に、まず宿泊者がどこでつまずいているのかを把握することが、評価改善の出発点です。
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